対話型AIに英語で質問するメリット
大量の情報にアクセスできる
対話型AIは、Web上の情報を元に学習をしているため、学習ソースが多いほど情報を広く深く得ることが出来ます。
2023年1月時点で、Webページの言語別シェアは、英語が最も多く、半分以上の約59%を占めています。2位が中国語で21.1%、3位スペイン語が7.1%で、日本語はわずか4.5%しかありません。
つまり、対話型AIを使う際に、英語で質問をすると、日本語に比べて10倍のソースを元に回答を生成されるということになります。
もちろん、対話型AIが英語のソースを元に回答を生成して日本語に翻訳して回答することもあるので単純な比較はできませんが、対話型AIが英語のソースを元に作成した回答を日本語に翻訳する際に、情報の欠落や翻訳の誤りが生じる可能性があります。
その意味では、英語圏に情報量が多い分野では英語で質問するメリットが出てきます。
ただし、英語で質問をすることが常に最適というわけではありません。例えば、特定の日本語の文化や事象についての質問であれば、日本語で質問をする方が適切な回答を得られることがあります。英語で書かれた情報でも、分野によっては日本語の情報が豊富であることがあります。
トークンの消費を抑えることが出来る
対話型AIをAIサービスのAPIなどで構築して使う場合、課金単位は基本的にトークン数です。
対話型AIで人気のChat GPTでは英語でも1単語で1トークンとしてトークン長をカウントさし、カンマやピリオド、クエスチョンなどの記号も1トークンとしてカウントされます。
一方で、日本語の場合は、ひらがなは1トークン、漢字は2、3トークンにカウントされます。
つまり、英語だと1単語1トークンなのに、同じ意味を日本語でやろうとすると数倍もトークンを消費してしまうケースがあることになります。
トークン数単位で課金されるAPIを使う場合は、英語で入力し、回答させた方がトーク数の消費を抑えることが出来ます。
日本語非対応サービスも使うことが出来る
対話型AIは多くが多言語に対応していますが、中には英語にしか対応していないサービスもあります。英語で質問するのに慣れていれば、日本語非対応な対話型AIサービスを使うのを諦めずに済みます。
また、多言語に対応している対話型AIでも、サービスによっては日本語の精度が低い場合もあるため、その意味でも英語で質問できるようになっておくメリットがあります。
英語学習の助けとなる
対話型AIの発展によって、これまでのような言語間ギャップは狭くなっていくと予想されますが、逆にAIの進化で飛躍的なスピードで情報が拡散していくようになり、最新の情報をキャッチアップするのに英語圏のソースがマストとなるケースも出てきます。
そうした将来を見据えて、今から英語で質問することに慣れておくのは、将来にとって良い投資になる可能性があります。
英語学習者が対話型AIを使って、リーディングやライティングの練習ができる フィードバックを得ることで、語彙や文法の改善につながる
対話型AIに英語で質問するデメリット
英語に慣れていないと、対話型AIとの会話がストレスになる
英会話に慣れている方は別として、英会話が出来ないユーザーは英語で対話型AIと会話をすること自体がストレスになることもあるでしょう。
また、日本語でのニュアンスを英語に変えることの難しさや、文化的な考え方や捉え方の違いも考慮する必要が出てくるため、対話型AIとの会話をすぐに英語に切り替えるのは難しいかもしれません。
こうしたストレスや学習コストを考えると、「対話型AIの多言語対応の精度向上を待った方が速い」という考え方もあります。
ユーザー自身が情報の正確性や信頼性を確認する精度が下がる
対話型AIの精度は日々向上しているとはいえ、まだ100%正しい情報を回答するとは限りません。
そのため、対話型AIを使う際は使うユーザー側での正確性のチェックが必須となりますが、英語で得た回答を英語のソースで正確性や信頼性をする場合、言葉のニュアンスやソースの正確さの判断の面で、英語に不慣れな場合は精度が下がる可能性があります。
結果として、対話型AIから得られた回答を正確に使うことが出来なくなってしまうのであれば、最初から質問するユーザーが確実に使えて理解ができる、日本語で質問した方が良いとも言えます。
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