プロンプトエンジニアリングとは何か?メリットとデメリット
対話型AIにおける「プロンプトエンジニアリング」とは何か。そのメリットとデメリットについて詳しく解説。いま、なぜプロンプトエンジニアリングが注目を集めるのか?プロンプトエンジニアリングを学ぶことの将来性についても解説します。
公開日: 2023.4.7
プロンプトエンジニアリングとは何か?
対話型AIのプロンプトエンジニアリングは、ユーザーとAIの間の対話を導くために使用されるテキストや音声のフレーズのセットを設計することを指します。このアプローチは、AIシステムがユーザーの要求や質問を正確かつ効果的に理解し、適切な応答を生成するのに役立ちます。
プロンプトエンジニアリングの定義
AIにおけるプロンプトエンジニアリングは、人工知能による文章生成やタスク自動化において、入力されたプロンプト(指示語)に基づいて、適切な応答を生成することを指します。
簡単に言えば、「AIが理解しやすい命令文を開発する」というのがプロンプトエンジニアリングの定義です。
プロンプトエンジニアリングには大きく分けて二つの目的があります。
- AIに期待する回答をさせる
- AIに依頼する処理を効率化する
現在のAIはかつてでは考えられなかったほどの高性能になってきていますが、まだまだ人間が処理するタスクと同じレベルのものをこなせないことがあります。
そうしたAIの弱点を「命令する側」が工夫することで、よりAIをうまく活用することができるのです。
プロンプトエンジニアリングが注目を集める理由
AIのプロンプトエンジニアリングが注目を集める理由は、以下のような点が挙げられます。
- 自然言語処理の進化:AI技術が進化したことで、より自然言語処理が可能になり、プロンプトによる対話がより自然に行えるようになった
- テキスト生成技術の進歩:AI技術の発展により、テキスト生成技術が向上し、より多彩なプロンプトが生成できるようになった
- 情報検索の効率化:プロンプトエンジニアリングは、ユーザーが欲しい情報を素早く簡単に検索することができるため、情報検索の効率化につながるため
- パーソナライズされた対話が可能:プロンプトエンジニアリングは、ユーザーが必要とする情報に応じて自動的にプロンプトを生成し、対話を行うことができるため、よりパーソナライズされた対話が可能になる
- ビジネスにおける応用:プロンプトエンジニアリングは、ビジネスにおいても有用であり、顧客との対話やマーケティングなどに活用されることが期待されている
これらの理由から、AIのプロンプトエンジニアリングは、現在注目されている技術の一つであり、今後も更なる進化が期待されています。
プロンプトエンジニアリングのメリットとデメリット
メリット
プロンプトエンジニアリングにはいくつかのメリットがありますが、最大のメリットは以下の二つです。
- AIの回答内容の精度の向上
- 生産性の向上
現在の対話型AIには、「誤った情報を回答することがある」「望んだ回答をしないことがある」「複数の会話に分かれた場合、前後関係がおかしくなる」という問題点があります。こうした問題点を「質問の仕方」を変えることで、AIが回答できる範囲を狭くし、より望んだ答えに近づけることが出来ます。
簡単な命令で様々な作業をしてくれる対話型AIですが、いくらやっても満足しない回答をするのでは「自分が作業したほうが速い」となってしまいます。対話型AIの回答内容の精度の向上させることで、対話型AIを使った作業を効率化することが出来ます。
デメリット
一方で、プロンプトエンジニアリングにもデメリットはあります。
- 同じプロンプトでも品質にムラがある
- 精度を高めても完璧にはならない
対話型AIは、命令文に対して「最もそれらしい回答をする」というのが本質的なところです。そのため、その都度「それらしい回答」をするため、同じプロンプトでも全く同じ内容になるとは限りません。この点は「エンジニアリング」としてはデメリットです。
また、いくらプロンプトの精度を高めたところで、回答の精度はAI自体の精度の上限までとなるため、プロンプトを極めたからといって完璧な回答を得られるわけではなく、完璧な回答を得るにはAI自体の進化が必要です。
対話型AIのプロンプトエンジニアリングの将来性
プロンプトエンジニアリングは、自然言語処理技術の進歩により、ますます重要になっています。AIシステムは、膨大な量のデータを分析し、パターンを抽出することができます。これにより、AIシステムが特定のトピックについての質問に適切な答えを生成するために必要な単語やフレーズを特定することができます。
将来的には、プロンプトエンジニアリングは、AIシステムがより洗練された、柔軟で自然な対話を実現するためにますます重要になるでしょう。
プロンプトエンジニアリングは、AIシステムがより複雑なタスクを実行するためにも役立ちます。例えば、医療診断、法的アドバイス、教育支援など、多岐にわたる分野で活用が期待されます。
その意味では、プロンプトエンジニアリングを習得しておくメリットがあるでしょう。
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